大学院授業で「応用アルゴリズム特論」という科目を10年以上担当しています。
立派な名前に反し、中身は何でも有りの時事放談みたいな内容です。
アルゴリズムとは「問題を解く手順」ということです。「最大公約数を短時間で求める手順」などです。しかし、こういう難しそうな話はほとんどしません。履修している学生が目を覚ますのは「創発から意識へ」という講義の時間です。「創発」は様々な場面で取り上げられていますのでご存じの方が多いと思います。定義は「1人で1のパワー、2人で3のパワーが発生した場合(創発)と呼ぶ」というものです。
そうだとすると「永久機関」どころではなく「無限エネルギー発生機関」の出現ということになります。現実の世界では簡単には見つかりませんが、生命の受精卵が最初期に分裂するときにこれが発生していることは確実と考えられています。
つまり「神の一撃」です。ところが「クラウド」が落ち着きだした昨今、コンピュータの分野でこれを比較的容易に発生させることができそうな動きが出てきました。
つまり「1台のサーバで100分かかる計算が10台のサーバを使うと1分で完了する」という様なことです。10台を1億台くらいに拡大すると・・? そうです。「意識」が発生するはずです。GoogleやAmazonのデータセンターを見ていると「昔観たSFの世界を生きている間に見られるかも」と思えてきます。
因みに私の学位論文内容は「創発の研究」でした。今月も怪しい話で済みません。
(編集長1:井上副センター長)