2013年3月13日水曜日

■ 編集長からのメッセージ


東日本大震災(以下、311)からちょうど2年が経過しました。この2年で何が変わって、何が変わらなかったか、いろいろ考えさせられます。情報基盤について言うなら「最大の目的がBCP(事業継続計画)実現に移行し、クラウドは必然になった」ということでしょうか。
311以前は「クラウドは一種の熱病」みたいなもので「うちもクラウドしています」というだけで、先進的な気分だったのですが、実態はBUZZ寸前までいっていたと思います。BUZZというのは「新しいと思わせながら実は空疎なものを指す用語」というほどの意味です。
ところが311はそれを変えました。「スターズ」という用語が急速に脚光を浴びるようになったことがその象徴です。アルファベットで「STaaS」と書きます。IaaSやSaaSは良く知られたクラウド用語ですが、STaaSはSTorage as a Serviceの略です。つまりストレージのクラウド化の意味です。データだけでなくプログラムを含めた情報資産のすべてをクラウドに持たせるもので「大災害でもその組織の主要部分は失われない」というものです。
STaaSの特徴は驚異的な高信頼性、驚異的な低価格です。ちなみに某大手クラウドプロバイダーのサービスでは1か月1ギガバイト借用費用は約1円です。データは場所が異なる3か所の強固なデータセンターに分散記憶されます。
従来の様に「自身でIT資産をもって運用する」という考え方はすでに完全に過去の遺物になりつつあるのだと思います。それにも拘わらず、貴重な税金を大量に投入して、せっせと高額なIT資産を買い込んで、自慢している組織はあとを絶たないようです。
(編集長1:井上副センター長)